11 月 26, 2009

小児の頭痛;中耳炎

小児が頭痛を訴える場合、小児が良くかかる病気、例えば蓄膿症や中耳炎などが原因になっている場合があるので注意が必要です。こういった病気は放置すると慢性化してしまうケースもありますから、少し様子が変だなと気づいたらすぐに医師に見せてくださいね。

今回はそういった小児の頭痛の原因となる病気の中から、「中耳炎」についてご紹介しましょう。中耳炎は小児がよくかかる耳の病気で、急性中耳炎と滲出性中耳炎の2種類があり、このうち生後半年~5才くらいまでの小児は急性中耳炎にかかりやすいようです。

中耳炎は鼻や喉についた細菌が、耳管(耳と喉の境につながっている管)を通って中耳腔に入り込み、細菌が増殖して膿などがたまる病気のことを言います。小児に中耳炎が多いのは、小児の耳の構造が関係しています。小児の耳管は、大人と違って開きやすく細菌が進入しやすくなっているのです。

また、小児は鼻が上手にかめずに細菌が残ってしまうことも理由のひとつです。小児の中耳炎の原因の多くが風邪によるものです。小児は体温調整がうまくできず、免疫も弱いため風邪をひきやすくなっています。風邪をひくことで鼻や喉に簡単に細菌が入り、その細菌が中耳腔にまで達して増殖、中耳炎を引き起こしてしまいます。

中耳炎は高熱をともなうケースがあります。小児が風邪をひいた後、しばらくすると高熱が出て耳が痛くなり、中耳炎に気づくケースがほとんどです。小児は風邪をひいて鼻水が出た直後に中耳炎を起こすことが多いので風邪の症状がみられたら、小児科だけでなく耳鼻科でも診てもらった方がいいかもしれませんね。

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10 月 22, 2009

小児脳腫瘍

日本国内における脳腫瘍の発生頻度は、人口10万人に対し12人程度とされ、欧米とほぼ同じであるといわれています。脳腫瘍の中でも、「神経膠腫(グリオーマ)」は脳に発生する悪性腫瘍で、原発性脳腫瘍の約3割を占める最も多い腫瘍です。

その神経膠腫の中で最も多いのは星細胞腫で、その悪性度によって大きく4段階に分けられます。一般に、この腫瘍は周囲の脳にしみ込むように拡がっていくので、正常脳との境界が不鮮明となってしまうため手術で全部摘出することは困難です。通常は再発を予防する目的で手術後の放射線療法や化学療法などが必要となります。しかし、最も悪性度の低いグレード1は、小児の小脳に発生する星細胞腫で、この腫瘍だけはあまり周囲の脳に浸潤しないので手術のみで治癒することが期待できます。

グレード2以上は手術だけでは再発の可能性が高く、手術後に放射線療法や抗がん剤による化学療法が行われるのが一般的です。特にグレード4は「膠芽腫(こうがしゅ)」と呼ばれています。膠芽腫は治療が困難な疾患であり、手術だけでは大半が数ヶ月以内に再発するため、術後の放射線療法や化学療法が必須だと言われています。

脳腫瘍の症状として、頭痛・吐き気・嘔吐がよくあげられますが、これは頭蓋骨の内部の圧が高くなることによっておこる症状です。脳は頭蓋骨という硬い入れ物に囲まれているため、脳腫瘍によってこの入れ物の中の容積が増え、内圧が上昇した結果、頭痛・吐き気・嘔吐の症状がおこります。

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9 月 25, 2009

小児の頭痛;水頭症

今回ご紹介する小児の頭痛は「水頭症」です。水頭症とは、脳脊髄液が頭の内側で過剰に留まる病気のことです。生まれつきの異常で起こっている場合を先天性、生まれてから生じた異常で起こってきた場合を後天性と区別されます。

頭の大きくなる病状として、昔から小児の水頭症は知られてきました。
この症状は生まれてしばらくの間の頭蓋骨は骨同士の結合が弱く、やわらかく組み合わさっているため、生まれつき水頭症をもっている小児や、頭蓋骨の結合がやわらかい時期に水頭症になった小児は、余分に溜まって大きくなった脳室の圧力によって頭蓋骨を押し広げる状態が続き、結果として頭が大きくなることによります。

しっかりとした結合になった頭蓋骨では頭が大きくなっていく事はありません。こうした特徴がある為、小児の病状が良く知られていますが、実は年齢を問わず発生する病気なのです。

水頭症の症状は、頭の圧力が上がった症状と理解され、乳児までの時期であれば、上述の通り頭の拡大が目立つ事が一番の特徴です。この時期以降は、脳室の圧力の上昇は、頭蓋骨に守られた脳を直接圧迫する力となり、頭痛、吐き気、嘔吐の症状を起こします。

他にも食欲不振、体重減少、全身倦怠感などの症状もあり、長い間気付かれない場合もあります。また神経への影響から、視力の低下、眼の動き方の不自由などを起こす事も知られています。

小児の「先天性水頭症」は、先天的な障害(奇形)が原因となっている場合や、母体内での感染によって起こったと考えられる場合が良く知られていますが、特定の原因によるものや遺伝による場合は稀であると考えられています。

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8 月 24, 2009

小児の頭痛についてのまとめ

小児が頭痛を訴える症状で一番多い原因は、「風邪」によるものですが、親が小児の頭痛を心配して小児科を受診するのは、風邪による頭痛ではなく、慢性的に頭痛を訴えるケースです。

小児が頭痛を訴えてきて、最も心配されるのは、「脳腫瘍」などの重い病気です。脳腫瘍の場合、症状は頭痛以外にも吐き気や神経症状が出てきて、これらがだんだん強くなるなど、進行していく特徴があります。こうしたことから頭痛の原因を推測し、必要に応じた検査をしていくのが一般的です。

検査としては血圧測定、血液検査、起立試験、頭部 MRI(あるいはCT)、脳波検査、眼科耳鼻科の疾患のチェックなど。

このような検査で、異常が発見されて判明する原因のなかで最も多いのは「炎症性疾患」、次に多いのが「起立性調節障害」、比較的少ないものには「てんかん発作を伴う頭痛と眼科的疾患」、特に稀なものとして高血圧を伴う疾患や脳腫瘍などの脳神経外科的疾患などが挙げられます。

次に検査をしてもまったく異常がないにも関わらず慢性的に頭痛を訴えるもので、とても多いものは緊張型頭痛、少ないものでは心理的要因関与の頭痛が挙げられます。

小児科の日常診療で風邪以外の頭痛は、起立性調節障害、片頭痛が比較的多いようです。これらは問診である程度予測がつくのですが、起立性調節障害は小学校高学年生から中学生に見られ、車酔い、腹痛、朝起きられないなどの訴えがあり、診断は比較的容易です。

一方、片頭痛は家族に片頭痛持ちがいるケースが多く、頭痛も月に数回程度で毎日ではないことが多いです。このように頭痛の症状や年齢で、かなりの原因が予測されるのです。

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7 月 23, 2009

小児の生活習慣

小児の頭痛や肩こり、腰痛といった症状が年々増加の傾向にあるようです。
こうした小児の頭痛の原因は、小児の生活習慣からくるものがほとんどだと言われています。つまり、小児の頭痛や肩こり、腰痛の原因は親である大人にあると言っても差し支えないでしょう。小児の生活習慣を整える責任は、親にあるのですから。

小児の頭痛と肩こりには、食事の際の「噛む」回数と大きな関係があると言われています。
幼い頃から軟らかい物ばかり食べていると噛む回数が少なくなってしまい、あごが発達しません。特に「下あご」はよく噛む小児とあまり噛まない小児では骨の大きさに約30%近くもの違いが出てきます。

一方で歯の成長は噛む回数に関係がないため、噛む回数の少ない小児は歯の生える隙間が狭くなり、歯並びが悪くなる原因にもなってしまいます。

その結果、食事の際に片側だけで噛むようになるクセがついてしまい、よく噛む方の頬の筋肉が緊張、硬くなり、左右の筋肉が釣り合いをとるために後頭部の筋肉に緊張が起こるようになります。そして、小児の頭痛、肩こりが起こるというメカニズムです。

こうした小児の頭痛、肩こりへの対処法としては、なるべく「和食」を中心とした食事を心がけるようにしましょう。
和食は他の食事と比べて、よく噛んで食べる傾向にあり、小児の頭痛、肩こりを予防するためにも、なるべく毎日の食事に和食を出すように心がけましょう。

また小児の頭痛、肩こりの治療においては、歯の噛み合わせを治すと同時に顎関節の位置を整えることが必要です。小児の頭痛、肩こりのことは専門医に相談して対処するようにしましょう。

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6 月 19, 2009

小児の頭痛<片頭痛>

小児科の外来でもしばしば訪れるのが小児の頭痛です。
小児の頭痛の原因は多種多様で、緊急を要するものからそうでないものまであります。そのなかでも病気によらない、慢性反復性の頭痛についてみていきましょう。

小児の慢性反復性頭痛において頻度が高いのは、機能性頭痛といわれる片頭痛と、緊張型頭痛についてご紹介します。

「片頭痛」というのは頭の片側がズキズキを脈打つような痛さが特徴で、この頭痛がひどい時は片側だけでなく両側がズキンズキンといたんだり、吐き気や嘔吐が伴うケースもあります。

片頭痛は小児にも多くみられ、3~4才頃より発症し、年齢が高くなるとともにその頻度は高くなります。

小児の片頭痛の場合は、片頭痛の前兆は伴わないことが多く、痛みの部位も必ずしも片側性ではなく、頭全体や前頭部に多くみられるようです。

小児の嘔吐は他の病気が原因の場合も多くみられますが、胃腸炎や自家中毒の他に嘔吐を繰り返す小児では片頭痛の存在も念頭に置いておくことが重要でしょう。

小児の緊張型頭痛は学童期以降にその頻度が増加し、一般的には両側頭部か頭全体、時には後頭部がギューっと締め付けられるように痛みます。

頭の筋肉と肩の筋肉は連続している為、肩こりを伴うこともあり、肩、首の筋肉のこりで頭痛は悪化します。

最近の生活環境の変化によって小児にも増加の傾向があるので生活全汎を見直し、首、肩、背中の筋肉に対する体操やストレッチが必要となります。

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5 月 26, 2009

「周産期医療」とは?

「周産期医療」という言葉をお聞きになったことがあるでしょうか。
「周産期」とは、妊娠22週から生後満7日未満までの期間をいい、合併症妊娠や分娩時の新生児仮死など、母体・胎児や新生児の生命に関わる事態が発生する可能性があります。周産期を含めた前後の期間における医療は、突発的な緊急事態に備えて産科・小児科双方からの一貫した総合的な体制が必要であることから、特に「周産期医療」と表現されています。

最近の報道では、こうした周産期医療の現場で人員不足と「新生児集中治療室」(NICU:neonatal intensive care unit)の数が足りないという現状が報告されています。

医療の進歩によって、周産期の母体と胎児の生存率は格段にアップしてきているのですが、それに携わるスタッフ不足、高額医療機器の不足によって救える命が失われている現状があるのです。

前回ご紹介した小児科医の減少、また産婦人科医の減少など小児医療の現場は危機的状況にあると言っても過言ではありません。

少子化問題が叫ばれて久しいですが、子供を産み育てる環境整備は裏腹に劣化しているとも言えるでしょうか。子供を産まないのではなく産めない世の中になってきているのかもしれません。

小児科医、産婦人科医の数を増やすために医師国家試験の合格率を高めようという議論もあるようですが、合格率アップのために問題を簡単にするという話もあるそうです。本末転倒な感も否めませんが、あらゆる議論を尽くして、医者を増やす方法を考え出して欲しいものですね。

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4 月 24, 2009

小児救急の現状

産婦人科医が減っているという問題が各種報道されていますが、小児科医の数も減っているという問題があることをご存知でしょうか。その問題の中でも特に緊急性の高い問題が、小児救急の現状です。

通常、昼間に病院・個人医院が診療されている時間は小児科を担当される医師が十分おり、小児医療が地域で不足しているということは現状ではないようです。しかし、夜間や休日など救急の場合は、「急患は専門医を求める」ということから、小児科を専門とする医師で順番で夜間診療をせざるを得ないのですが、その数が足りないのです。

夜間や休日は数少ない小児科専門医に患者が殺到し、小児救急の問題をさらに深刻にしているのです。

さらに、事態を深刻にしているデータもあります。ある統計データによると、急患センターの救急患者の約半数が小児の急患というものです。それに対して、一般病院で統計をとると、全患者のうち小児の患者1割に満たないのです。

つまり救急患者に占める小児の患者が多いのに比べ、深夜・休日に診てくれる小児科医の数が足りていないという現状があるのです。小児科医が少ないことで、深夜・休日に急患の小児を抱えて病院に行っても専門の小児科医に診察をしてもらえないという現実があるのです。

このことは、現場の小児科医から見ても大変な状況で、小児の急患が一部の病院に殺到し、そこで働く小児科医は過酷な労働を強いられることになるのです。

こうした悪循環をなくすためにも小児科医の数を継続的に増やしていく医療行政が求められています。

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3 月 27, 2009

小児の頭痛について

日本人の約4割近くが「頭痛」を経験していると一般的に認知されていますが、大人だけではなく小児にもみられる症状の一つが頭痛です。

この「頭痛」には大きく分けて、「一次性頭痛」と「二次性頭痛」の2つのタイプがあります。一次性頭痛は主なもので片頭痛や、緊張型頭痛、群発頭痛が挙げられ、頭痛を訴える患者の約9割がこの一次性頭痛に含まれます。

次に二次性頭痛は頭頸部の外傷や、脳血管障害による頭痛、脳腫瘍、感染症に伴う頭痛、頭蓋骨や耳、鼻、副鼻腔、歯などの構成組織の障害に伴う頭痛(副鼻腔炎や虫歯など)、精神疾患による頭痛(てんかんなど)があります。

一次性頭痛は、小児では頻度は少ないものの、稀というわけではありません。中でも片頭痛と緊張型頭痛は、小学生から中学生にもみられます。

片頭痛の小児たちには、規則正しい生活、グルタミン酸(調味料などのうまみ成分)の入った料理やコーヒーなどの刺激物を避け、緊張型頭痛では首や肩の筋肉を温め、動かすことが有効です。また長時間のコンピュータやテレビゲームを避け、ストレッチや体操などを心がけましょう。

二次性頭痛のケースには、生命の危険を伴う重大な疾患もあり、脳腫瘍など外科的な治療が必要な場合もあります。二次性頭痛が疑われるのは、「いつもと様子がちがう頭痛」、「どんどん悪化していく頭痛」の症状ですが、幼い小児では的確に訴えられません。

頭痛に加え、発熱や発疹がある、嘔吐を伴う、顔面神経麻痺などの神経症状がある、何となく意識がおかしい、などの症状があれば重大な疾患が潜んでいる可能性があり医師の診察が必要です。

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2 月 24, 2009

小児の頭痛;髄膜炎

小児の頭痛の原因となる病気に「髄膜炎(ずいまくえん)」があります。この髄膜炎とは新生児や乳児などの小児に多くみられますが、成人でも起こります。脳や脊髄の表面をおおっている髄膜(ずいまく)にウイルス、細菌、真菌等が感染し、急性炎症が起こります。また髄膜炎は無菌性髄膜炎と細菌性髄膜炎に分けることができます。

細菌性髄膜炎は乳児に多くみられ、症状は発熱だけで他の症状はないとか、熱はないが非常に機嫌が悪いという症状もあります。無菌性髄膜炎は比較的年長の小児に多くみられ、頭痛、嘔吐が主な症状です。生後1~2ヵ月頃までの乳児の細菌性髄膜炎は予後が悪いケースが多いの特に注意が必要です。

また化膿性髄膜炎は無菌性髄膜炎よりも重篤で、最初は風邪の様な軽い症状から始まり、全身状態が急速に悪化、けいれん、意識障害、項部硬直、高熱、嘔吐、頭痛などの症状がみられます。

非常に残念なことなのですが、迅速かつ適切な治療が施されても細菌性髄膜炎を起こした新生児においては約3割は死亡しています。月齢の高い乳児・小児であっても高い割合で死亡するとても恐い病気なのです。

加えて生存した小児の1~2割に脳と神経に重大な損傷が生じ、脳室の拡大(水頭症)、難聴、脳性麻痺、精神遅滞等を引き起こし、非常に多くの小児達に学習障害、軽度の難聴、けいれんなどの後遺症が残ります。こうした髄膜炎に対して有効と考えられているワクチンも世界にはあるようなのですが、日本の厚労省の認可が下りておらず利用できないという状態が続いているのが現状です。

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